前回に引き続き旅行中のトラブルについて書きますよー
今回は【忘れ物】編。
前回記事にした旅のトラブル【盗難・ロスバゲ・飛行機に乗れない編】はこちら↓
忘れ物。。。私もよくする。。。
だから仕事中は同じカバン、同じスーツケース、中身まで同じ配置に毎回してます。
そうすると何かない時に違和感あって気づけるからね。
皆さんは今までどんな忘れ物したことありますかー?
今回の記事では最近あった忘れ物のと共に私(添乗員)の対応方法も載せていきますよー
最近の忘れ物
携帯…飛行機の座席前ポケットに忘れてきた(ペルー)、ホテルに忘れてきた(イギリス)、もうどこで置いてきたのかすら分からなくて気づいたら無かった(モロッコ)
【対処法】空港スタッフ、ホテル、必要であれば旅行会社に電話。飛行機のは結局見つからず。。。
ホテルに忘れたのは、ホテルに電話して見つかったんやけどリチウムイオン電池が入っているものは空輸できないとのこと。。
取りに行けない距離だったのであとはお客さんに捜索料金を支払ってもらい、旅行会社に任せました。
携帯の充電器…これ最近ホンマに多い。。。
【対処法】予備の充電器を沢山持って行ってます。最近はアイフォン型かそれ以外かで対応できるのが多いし、100均でも充電専用ので売ってるからそれを持って行ってます。
カメラの充電器…これは日本に忘れてくる方、置いてくる方多いです。
※普段あんまりカメラ頻繁に使わない方は、フル充電日本ですれば8~10日間充電もつと考えてるお客さんも多いけど、やっぱりそれは無理です。充電器は持ってきて下さいね~
【対処法】昔は同じメーカーのカメラを使ってる人がツアーのお客様にいるかもしれないので、バスで聞いたりしてましたが、ここ5年は先輩から教えてもらったマルチ充電器を使って充電してあげてます♡カナダで買ったやつやけど、どのカメラにも対応できる優れもの♡今はアマゾンとかでも売ってる♪これを使い出してから、電池が合わない心配も、他のお客様に聞く手間も無くなりました~
変換プラグ…海外行く時の必需品。ホテルで充電して忘れてきたパターンが多い。私も昔よく忘れてた。。
※日本・カナダ・アメリカはAタイプ。ヨーロッパはCタイプが多く、イギリスはBFタイプ。
【対処法】カメラ、携帯等ホテルに入ってから充電することが多いから、とりあえず各プラグ3個ずつは持って行ってます。よく旅行するお客さんは、いちいち国ごとに変えるの大変やからマルチプラグを持ってる人も多い。でも個人的には一つ一つ別になったものが好きなので両方持って行ってます。
↓マルチ充電タイプ(便利やけど1コ2500~3000円とお高め)
↓一つ一つ独立型(空港で買うと600円くらいするけど、電気屋さんで買うと1コ200~300円)
お客さんに貸したまま戻ってこなかったり、そのままさらに忘れてきたりすることがあるので毎年購入してる気がする(笑)。
自分が行く国がどのプラグを使ってるのか知りたい方はこちら↓
【変換プラグ一覧】
http://www.travelerscafe.jpn.org/electricity.html
その他、帽子、カバン、眼鏡、カメラ、ジャケット、マフラー、あと国内のツアーやったけどホテルから電話かかってきて『お部屋に入れ歯忘れてるお客様いらっしゃいます~』と連絡受けて持ってきてもらったこともあります笑。
忘れ物したら捜索料がかかる
最近は忘れ物が増えてきたので、忘れ物をしたら『捜索手数料』を取る旅行会社が増えてきました。
旅行会社にもよるけど、4000~8000円(税別)が相場。
これは忘れ物が見つかっても見つからなくてもかかる費用。
見つかった場合はそれから送料や人件費が加算されるから結構高額になることも。。
そりゃそうね、手間と時間とお金がかかる捜索を無料でする訳にはいかないよね。。。
だから特に海外旅行の場合は急がず焦らず、身の回りの持ち物を確認しましょう。
それでも忘れ物したら忘れたことを忘れて下さい♡
【忘れ物事件簿】忘れ症なのか、ボケてるのか判断がつかないほど忘れ物を毎日繰り返したお客さん
あれは5年ほど前の冬のフランス。
日本を深夜便で出発して翌朝早朝にパリ入りし、モンサンミッシェル1泊、トゥール1泊、パリ3泊して帰る8日間の短いコース。
パリもほとんど自由行動の多いコースだったから、添乗員的にはあまり見せ場のない日程。
でも、過去10年間の私の添乗生活でこれでもかというくらい忘れ物を毎日繰り返すお客さんがいたんです!!
初日パリに朝6時半に着いて、まる一日移動しながら観光して、ようやくモンサンミッシェル泊。
モンサンミッシェルには旅行者がよく利用するスーパーマーケットが1件だけあります。
特に日本人に大人気!
でもホテルチェックインしてからスーパー閉店時間までは1時間弱。
お客さんはすぐさまスーパーへダッシュ。
私は夕食時間までホテルの部屋でちょっと休憩。
すると、私の部屋のドアをノックする人がいる。。。添乗員の部屋への電話のかけ方を教えているにも関わらず、直接私の部屋に来るということは大事か。。。
扉を開けると一人の女性のお客さん。60代後半の一人参加の方。
『どうかしましたか?』と聞くと『大変なことが起こったよ~』と。
聞くと“日本出発時にスーツケースと黒いカバンを預けて、パリに着いてからスーツケースはピックアップしたけど、もう1つ預けた黒いカバンのことを忘れて、それをモンサンミッシェルのホテルに着いて部屋に入るまで気づかんかった”という内容。
さ・ら・に・・・
その空港に取り忘れた黒いカバンの中にスーツケースの鍵が入っていて、スーツケースを開けられない。。。
えーーーーーーーーーー何でーーーーーーーーー
人生で初めて空港で自分の荷物を取り忘れる人に出会った。。。
でも起きてしまったことは仕方ない。何とかせねば。。
パリに戻るのは最短でも2日後。
今はスーツケースをどうにかせねば。。。
選択肢としては①スーツケースのカギを壊して中の物を取り出す。
又は
②パリに戻るまでどうにか過ごして、パリに戻った日に自力で空港に行って取り戻してもらう。
の2択。
お客さんに相談したけど『スーツケースのカギは壊したくないんです~、パリまで待ちます~』っていう回答やった。
どうしようもない。
せめてパリに戻る日まで下着やら服やら洗面用具やらいると思ったけど、もうスーパーは閉まっている。
そしてパリに戻る日までの行程で下着やらを買う所がないし時間もない。。。
翌日も朝からガッツリ観光。
朝そのお客さんに『ないかもしれないけど、もし下着とか替えの服とか買えるような所見つけたら言いますね!!』
と言ってみたけど
『私綿のパンツしか履かないから売ってるかな~』という。
こんな時にパンツの素材の話しとるんちゃうぞーーーーって思ったけど言えない。
フランス語を話せない私は念のため手配会社に助けてもらうことに。
お客さんにもキッチリ捜索料も支払ってもらいました。
でも空港側の対応としては『ロスバゲしたならうちがお客様の滞在先に荷物を送ることはできるけれど、これはお客様の取り忘れ。お客様が空港に取に来るしかないです』とのこと。
ごもっとも。
えーーーーー連発の毎日
ツアーの合間をぬってそのことを伝えたり、お客さんの回答をもらいに行ったりしてる間に『何か起こったんだな』ということが他のお客さんにも伝わる。
彼女も他のお客さんから『何かあったの?』と聞かれると忘れ物のことを話してしまう。
日に日に『要注意』のレッテルが貼られる。。。
そして昼食会場で
『添乗員さん、カメラの充電器をホテルに忘れたの~』。
また。。。。
その後『小さなポーチをどこかに忘れたの~』。
と続く。。。
もう少々のことでは驚かなくなりました。
ようやくパリに着いた翌日は半日観光の後、フリータイム。
そこでお客さんが空港に行けるチャンス!!
でも忘れ症なのかボケてるのか分からないお客さんを一人で空港に行かせるのも不安。
英語もフランス語も全くできないから尚更。
さらにこの日は翌日まで完全自由行動だったから自分でホテルに帰ってもらわなきゃいけない。
失礼だけど、この方には絶対に無理。
ツアー中何度も空港までの地下鉄の乗り方を教えて欲しいと言われたので、空港への行き方とホテルへの帰り方を必要以上に伝授。
そしてお金がかかっても空港からはタクシーでホテルまで帰ることを強く勧めました。
何かあったら怖いからね。。
それでも不安。。。
だからお客さんに『私も自由だから一緒に空港に行きますよ』と伝えてみた。
『いや~それは申し訳ないから大丈夫です。。。』
他のお客さんも、この方が一人でパリは無理と判断して
『そこは添乗員さんに着いて行ってもらいなさいよー』
って言ってくれたけど本人は『いやー。。。一人で行きます。その代り私日本語しか喋れないから、空港着いた時に誰かにこの状況を聞けるように紙にメモ書きして欲しい。。。』
何度言っても『1人で頑張ります』と言うので、行きはパリ中心部から空港に直行で行けるバス発見。
地下鉄より料金高いけど確実に行ける。
バスの運転手さんにこの方が日本語しか話せないから、彼女の降りる空港ターミナルが来たら教えてあげて欲しいと伝えて出発。
このバスが行くのを見届けたのが1時。
フリータイム中をパリ市内で過ごし、希望者のお客さんと一緒に夕食を食べてホテルに戻ったのが7時半。
その間何度もその女性の部屋に帰宅したか電話したけど繋がらない。。。
1時に見送ってから既に6時間半。。。
そして8時にもう一度電話したら繋がった!!!!
『カバン見つかりました?一度お部屋にお顔見に行きますねー』と伝えて彼女の部屋に。
ご無事で。。。♡っとホッと一息。
『これが忘れてきた黒のカバンです。ここにスーツケースの鍵も、ホテルに忘れたって言ってたカメラの充電器も入ってました』。
この方、カメラの充電器、使ってもないのにホテルに忘れたと勘違いしてたんかとゾッとしたけど、もういい。
無事に帰ってきたし、スーツケースも開いたし、綿のパンツにも履き替えれたらしいし笑。
という思いも束の間。
『添乗員さーん、大~変なことが起きたよ~』
これ以上大変なことって何なのーーーーーー聞くのも怖い。
『あの~空港からの帰りなんだけど、地下鉄でパスポート取られたの~』
えーーーーーーーーーーーーー
嘘でしょ。。。
すぐ会社と手配会社に連絡。
最悪なことにパスポート取られたのが金曜の夜。
月曜日パリを出て、日本に帰るからあと2日しかない。
さらに土日は大使館が閉まっている。
手配会社の人が頑張ってくれて、緊急で大使館を開けてくれるということになり、その時間までに必要な写真やらポリスレポートやらを取に行き、何とか『帰国の為の渡航書』をゲット。。。
簡単な日程のはずが、寝る暇なくフル稼働してようやく迎えた最終日。
ホテル出発前に毎日やってる忘れ物確認も全員でやり、空港に出発。
空港に着いて、『免税手続きある方はガイドさんと手続きカウンターへ。無い方は私とJALカウンターに行きますよー』
と空港に着いてから二手に分かれて行動。
私の後ろから、例のお客さんが近づいてきて
『添乗員さーん、黒のバックをホテルに忘れたの~』
えーーーーーーーーーーーー
信じられへん。
初日に空港で忘れて、パリの自由時間を全て使ってまでも取りに行った黒いカバン。
その帰りにパスポートも取られとんのに、まだ忘れるか!!!
『さっきホテル出発前に忘れ物確認しましたけど、その時確認しなかったんですか?』
とイライラして聞いてしまった。
『したつもりだったんですけどないんです~』
さすがに他のお客さんも呆れている。
でも私はあることに気づいたんです。
彼女以外に黒いカバンを見たことあるのは私だけ。
そしてそのお客さんが右肩にその黒いカバンをかけてることに!!
持っとるやん!!!!
『〇〇さん、今右肩にかけてるこの黒いカバンが今言うてはるカバンじゃないんですか??』
『あっ!!ありました!』
えーーーーーーーーーーーもう知らん。
やっと帰れる―と思ってゲート前で座ってると、
『添乗員さんに迷惑かけたんで、これどうぞ』
と手渡されたんがボールペン。。。
人一倍持っとるわ!!
他のお客さんにも申し訳ないってチョコレート買って手渡してはりましたけど。
そして日本到着。
ターンテーブルでお客さんを待ってると、彼女が真っ先にJALスタッフの元へ。
何かあったんかと思って聞くと
『飛行機の中に帽子忘れたんです~』
それ聞いた他のお客さんが
『さよこさん、もうええで、もう日本やからJALの人に任せ~』
そう言うてくれるお客さんのおかげで今回生き延びれました。
ちゃんとJALの人が帽子をこの方に渡したのを見届けて私も帰宅。
こんなに忘れ物するってどうしたらいいんでしょう。。
この2か月後同じコースに行ったけど、何のトラブルもなくいった。
私は毎朝忘れ物チェックをバスの中で全員でやってるんです。
『触って確認して下さいね~』って。
それでも起こる忘れ物。
こうすれば忘れ物減りますよーとか、無くなるよーとかいうアドバイスあったら教えて下さい。
ものすごく読み入ってしまいましたが、本当に大変でしたね。このお客さんは、軽い認知症のような物忘れの傾向が強いので、たぶん降圧剤を服用されているのではないのでしょうか?脳の機能が低下しておられるのだと思います。たくさんの方をお相手にする仕事尊敬します。
コメントありがとうございます。読んでいただいて嬉しいです。最近認知症かなーと思われるお客さんに出会うことがあります。この方もそうですかね。。。聞くに聞けないお客様への質問なので、ユミさんのコメントでやっぱりそうか。。。という思いです。複数で参加であれば、まだ良いのですが、一人参加で認知症だと気が気でないです。
こういう方の対応をもっと余裕をもって出来るようになりたいです。